蝉の声を聞くたびに

 

 

み〜ん、み〜ん、み〜ん

 

どうも、蝉です。

 

嘘です。

 

 

昨日、

外を走ってたら足元にいくつか蝉の死骸が転がっていました。

 

そういえば、

自宅のベランダにも2匹ほど蝉の死骸が転がっていた。

 

夏といえば蝉ですよね。

そう、蝉の声。

だけど、

今年の夏はあんまり外に出てないからあまり蝉の声を聴いた気がしてないです。

 

蝉はその生涯のほとんどを土の中で過ごし、

土から出て生きるのは一週間だけというのは有名な話です。

 

 

土から出て、

蝉たちは誰に習うでもなく、

空を飛び、

ミンミンと鳴き声をあげます。

 

 

土の中で彼らは何を考えているのだろう、

彼らの一生とはなんだろう?

いやそれなら人の一生ってなんだろう?

 

とか考えてみたり。笑

 

 

蝉の声を一番意識するのは、

蝉が鳴くのをやめた直後だったりします。

蝉の声が止まった瞬間の静寂に包まれた時、

 

「あれ、静かになった。

蝉が泣いてたんだな」

と思ったりします。

 

 

 

昔、

東京に住んでいた時、

同じような体験をしました。

 

友達と飲んだ帰り、

僕は酔っぱらいながらも、まだ飲み足りなかったので、駅前のコンビニで酒を買って、駅前の公園で一人飲んでいました。

公園の噴水の前に座り、

駅のアナウンスや公園に集まる人々の雑踏、

一人で何か喋ってる酔っぱらいのおっちゃんの声、

様々な音に囲まれながらボーッと酒を飲んでいました。

 

 

するといきなり静かになりました。

今まで僕の鼓膜を揺らし続けていた何らかの音が突如消えたのです。

横を見ると、公園の噴水が止まっていました。

噴水の流れがジャバジャバと水面に落ちる音がずっと公園に鳴り響いていたのです。

噴水が止まった時、その音の存在を認識できたのです。

 

すると、

隣で何かわめいてたおっさんが、

 

「この無音がいいんだよ〜」

と言っていました。

 

その発言を耳にした僕は思わずにやけてしまいました。

あの公園で僕と同じように、

突如静寂の中に包まれる感覚を愉しんでる人がいたことに、

それが酔っぱらいのおっちゃんだったことに。

 

僕はその後、

噴水が止まった瞬間の無音を撮りたくて、

噴水が再び流れ始めてから、

30分くらいスマホのカメラで動画を撮っていました。

結局その後、噴水は止まりませんでした。

 

 

 

8月。

夏真っ盛り。

 

蝉がミンミンと鳴いても、

僕は気づかない。

 

蝉が泣き止んだ時、

蝉がいたことに気づいた。

 

今年の夏は、

君がいなくなる前に、

君の声をもっと聞くことにします。

 

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