経験の蓄積と直感
おっす、金曜日。
先週、東京出張に行って戻ってきてから、
早くも週末‼︎
早すぎる。
今回はその東京に行った時の話です。
1週間前に遡ります。
東京に着いた初日の夜、自由な時間がありました。泊まったホテルは銀座にありました。隣の新橋はサラリーマンの街で居酒屋なんかも沢山あって飲む場所には困りません。
僕はホテルから歩いて新橋駅の近くまで来ました。色々歩いて、良さげな店を探してたんですけど、腹が減って思考力も低下してきたので適当なチェーン店の串系の居酒屋に入りました。
入った後に気付いたんですけど、その店はブラック企業と名高い某飲食店グループの系列店でした。
僕は何だかなあと思いながらビールと串盛りなんかを適当に頼んで飲み食いしてました。
店内は結構人がいて仕事帰りのリーマンやカップルなどに挟まれて僕はしっぽりと飲んでいました。
料理は普通に美味しかったんですけど、まあこんなもんかと思いながら店を出ました。
そこを出てそのままホテルに帰ろうかとも思ったんですけど、このまま帰るのも侘しいなと感じたのでもう一件探すことにしました。
ホテルに向かう道で良さげな店がないかなあと探しながら歩いていると、銀座の街にはタキシード姿の従業員さん達が沢山いて、銀座は格調高いところなんだなあと田舎者はぶらぶらしてました。
すると、
今年流行った香水で有名なドルチェアンドガパオライスの店があったので、
何故か写真を撮っていました。笑
と、
そのあたりを歩いていると、僕は最高の店に出会ってしまったのです。邂逅です。
僕の目に入ったのは、
その店の名前が書かれた古い行灯、
そしてその店の入り口に上がっていく狭い階段でした。
正直、入るには少し勇気がいりました。
常連さんだけしか入れない一見様お断りの店だったらどうしよとも思いましたが、
僕は勇気のない選択に面白いものはないということを知っているので迷わず階段を上がっていきました。
階段を上がると玄関の開きづらい引き戸があったので、
それをガタガタ揺らしながら中に入りました。
中には1人のお客さんと、カウンターに一人の婆さんが立ってました。
彼女が店のお上さんでした。
「1人なんですけどいいですか?」
というと、
お上さんは驚いたように僕を見て、
「よく来たね〜」
(こんなところに一人でよく来たねというニュアンス)
と初見の謎の男を入れてくれました。
※僕はこの店を人に教えたくないので、店が特定されるような情報は伏せます。
「何飲むの」
と言われて、
普段は大体僕はビールを飲むのですがビールは無さそうだったので、
「お酒は何がありますか?」
と聞くと、
「お酒は一種類しか扱ってないんだよ。
新潟の◯◯」
「じゃあ、それをいただきます。」
と新潟の日本酒をいただきました。
その時飲んだその日本酒に僕はくらいました。
めちゃくちゃ美味くて、こんな美味い日本酒あるんだとめちゃくちゃ感動しました。
その料理屋はある県の料理を出しているんですが、その◯◯県の料理が初めてだった僕は、その料理の美味さにも感動しました。
出てくるもの出てくるもの全部美味くて、
美味え美味えと言いながら食べていると、
お上さんは僕が味の分かる人だと理解したようで、
「あなたのお母さんはあなたに美味しいものを沢山食べさせてあげたんだろうね。
お母さんに感謝しなきゃね。」
という事を言ってくれました。
そこからお上さんは僕という人間について、
色々と言い当てくれました。
お上さんが言うことは恐ろしいほどに当たっていました。
僕はここまで自分という人間を理解してもらえるなんて思ってなかったし、僕の感性を褒められて、僕の生きづらい性格に対しての社会での処世術なども教えてくれて、涙ぐみながら話を聞きました。
50歳以上離れていますが、お上さんの聡明さと経験から来る知見や直感に僕は感動しました。
本来なら一目見てこの店に合うかどうかを判断して、僕みたいな一見は断ることもあるらしいが、僕はどうやらテストに合格したらしいです。
そこで体験した美味しい料理と美味しいお酒、そこで聞いた貴重な話と不思議な体験はなかなか味わえるものではありませんでした。
50年の経験の蓄積が
それはきっとチェーン店では味わえない、
たった5つ程度の星で測れるようなものではないものです。
これからも、
僕は僕の感覚を大事にして、
直感と感性に磨きをかけながら生きていこうと思えた素敵な夜でした。
P.S.
次の日も行きました。