向けられた銃口の先
昨日は、
友人の引っ越しの手伝いをしていました。
色々な思い出が詰まった部屋で、
1枚の絵を発見。
これは3年前くらいに僕が描いた絵…
懐かしい笑
そこから空白の部分を描こうということで、
貴重な休みの時間をかけて友達と相談しながら絵を描いてました。笑
ビキニのちゃんねーを追加しました。
昨日はそれ以外に、
その友人の家で新海誠監督の映画をいくつか鑑賞しました。
天気の子は今さらだけどやっと見ました。
その後、
秒速5センチメールと言の葉の庭を見ました。
新海誠監督の作品の多くが東京が舞台になっています。
綺麗な絵で描かれた東京の街並みを見ていると、それだけでワクワクしますね。
僕は1年半くらい東京に住んでいて、
今でもたまに東京を訪れるので、東京の街並みを見ていると過去の記憶と懐かしさがこみ上げます。
「東京」は日本の中心的町であり、
様々な物語の舞台です。
より物語に感情移入する為に、東京に住んでいた経験は非常に貴重なものとなっています。
天気の子では、
田舎を抜け出した家出少年が主人公です。
東京で生きて行くと決めて単身上京することになります。
少年は東京に着いてマンガ喫茶に泊まりながら仕事を探します。
その中で偶然に「拳銃」を手に入れることになります。
その後は、ある少女との運命的な出会いから彼の人生は一変します。
田舎には、田舎に生まれ、田舎に暮らす者の憂鬱というがあります。
目に見えない「閉塞感」が常につきまとい、
選択肢のない人生がこのまま一生続いて行くのではないかという不安に駆られます。
これは特に若い時が顕著で、僕も中学生のころからその感情が高まって、10代の頃は田舎から抜け出すことばかり考えていた気がします。
きっと都会育ちの人には都会育ちの憂鬱というものがあるのかもしれないですが、あの時は東京に行けば何かが変わると強く考えていました。
だから、天気の子の主人公が田舎から飛び出した気持ちはとてもよく分かる気がします。
東京に着いた主人公に与えられた、
「銃」というアイテムですが、
銃には様々な力があります。
銃が持つ力で思いついたものを書いていきます。
人を殺すことができる。
人を脅迫することができる。
物体に穴を開けることができる。
生死について考える機会を与えてくれる。
自己防衛。
破壊。
などなど、
いくつかあげましたがもっとあるかもです。
銃には強力な殺傷能力があります。
敵を殺す為の武器です。
すると、
敵とは一体誰なのでしょうか。
敵は戦争でいったら単純に相対する国や集団になる。
また、敵は人を苦しめている問題の原因やその存在という解釈もできます。
誰かを苦しめているものが、他のだれかなら、
その人を単純に消し去ることで問題を解決する手段になります。
上に、
人を脅迫することができると書きましたが、
これは人に銃を向けることで相手の行動を強制的に指定できます。
向けられた銃口の強制力に逆らう為に、
自らも相手に銃口を向けることで自己防衛することもできます。
これはアメリカみたいな銃社会という文脈においては正当化されます。
が、
しかし日本みたいな平和な国で「銃」を与えられた平凡な市民はどこへ銃口を向けるのでしょうか。
先ほども言ったように「敵」が的になる的な。
自分の行動を邪魔する存在、見える存在としての敵。
天気の子で言ったら、絡んできた暴力的なチンピラだとか、主人公を追ってきた警察とかの権力的存在ですかね。
そして、
人々の思考に取り巻く、目に見えない概念的な存在としての敵にも銃口は向けられると思います。
他の危険な地域の国と比較して、非常に安全で平和な国日本ですが、その中で人々が感じている「閉塞感」、それも1つの見えない敵なのだと思います。
自分の力ではどうしても変えられない現状を変えてくれる力を銃は与えてくれます。
銃は物体に穴を開けて破壊するだけでなくて、
閉塞した状況に風穴を開けて突破口を作るアイテムなもなりうるのです。
最後にもう一つ敵をあげるなら、
それは「自分自身」です。
自分自身に向けた銃口は、
自身に生死について考えさせる機会になります。
自分自身を銃口にさらすことによって、
実際には撃たなくても、
自分自身の中に築かれた負の固定観念の遺産を破壊することができるのかもしれないです。
というわけで、
ここからは僕が影響を受けた主人公が銃を授かる作品を紹介して終わります。
高校生のころ、この作品に出会ってすげー食らった。
複雑な家庭環境に生まれながらも、普通に生きていくことを望んだ中学生の男の子の話。あることがきっかけで負の感情が爆発し母親の愛人である男を殺してしまう…。
そんな彼に与えられた拳銃の使い道とは…
続きましては、
これは青い春という短編集に収められている作品です。
退屈で死にそうな3バカトリオのもとに、
それを遠くのビルから見ていたヤクザのおじさんがリボルバーを与える。
3人は使い道を考えるが、
最終的には「ロシアンルーレット」を行うことになる…。
最後は、
シティオブゴッド
これはブラジルの作品で舞台もブラジルの危険なスラム街なんですけど、
小学生の頃この映画の予告編を見てトラウマになったんですよね。
銃を渡された子供が、
他の2人の子供の前に立たされて、
どちらか1人を撃てと言われるシーンがあります。
子供が銃を持つ世界が存在するということが、
恐ろしくて恐ろしくて。
平和な日常に落とされる銃という非日常。
だからこそ、改めて考えさせられることがある。
しかし、
危険な日常にとっては銃も日常の一部分なのかもしれません。
非日常を楽しむことができる環境に感謝です。
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