ワニの死に思うことその2

 

どうも、

今回は前回に引き続きワニの死について思うことを書きます。

また書く気がしなかったけど、思ったことは思ったうちに書かないとね。笑

 

今、ワニが死を迎えた後の展開が物議を醸しています(少なくともネット上では)。

 

ワニが死んだ直後、間髪入れずにグッズ販売や映画化などのその後の商業展開が発表されました。

そこにはワニの死を悼む間があまりにもなかったために読者たちは、

「?」

と疑問を抱いたのだと思います。

 

その疑問から電通との関係やらが明らかになり、それが多くの金と人々の手によりプロデュースされたものだということがわかりました。

 

それについて、世間の反応とは関係なく僕個人の見解を書きたいと思います。

 

100日後に死ぬワニという作品の発端がどこにあるかは僕にはわからないですが、

ここまで世間の話題性を意図的に作れるということに感動しました。

 

生きる上でお金は大事です。

お金を稼ぐために僕たちは働きます。

お金の稼ぎ方には色々な方法があって、

まだまだ人が思いつかないアイデアが沢山眠っています。

 

 

あっ、すいませんここまで書いて2日くらい放置してました。笑

 

えー、それで金の稼ぎ方についてでしたね。

僕は金持ちじゃないし金稼ぎに詳しくないですけど、

金の稼ぎ方にも良し悪しはあると思います。

人を騙したり、悪目立ちしたりして注目を集めて金を稼ぐのはあまり良くないと思います。

 

今回のワニは人々に死について考えさる題材を提供した結果として作者さんに正当な対価としてお金が入るのなら良かったけど、

金を稼ぐ為に死という非常に繊細な題材を扱って世間の注目を意図的に集めたところに非があるような気がします。

 

 

世間を動かすムーブメントを意図的に作り出せるのなら、その方法は学ぶにとても有益なものであるのは間違いないです。

しかし、今回のワニの失敗は人々の心理を理解できていなかったことにあるのではないでしょうか。

結局のところ、商売とはいかに人の心を動かせるかどうかであり、人の心を理解してないと成り立ちません。

 

日本では人が死んだらお通夜や初七日、四十九日とそれに続いていく法事があります。

これらは、亡くなった人を悼む為に用意された心の整理期間みたいなものと僕は考えます。

我々現代に生きている人々は互いに他人にはなれません。他人がどう考えているか、どう感じているかは、その当人以外誰も知りようがないです。

例えばあなたが大事な人を失ってしまったとして、あなたはもう立ち直れないほどの心の傷を負ったとします。あなたは彼、あるいは彼女の死からしばらく経っても立ち直れない為、周りは「いつまで、悲しんでるの?」と言うかもしれません。

逆に、故人と同じくらい親しい共通の友人は彼の死から少ししか経っていないのに元気そうです。あなたは「もう、そんなに元気なの?」と思うかもしれません。

しかしあなたの1年で味わった苦しみを、

1日で味わい苦しみつくす人もいるかもしれないです。

表面には出ない為、その心の状態は互いに理解し難いのです。

 

故人をすぐに忘れてしまうわけにもいかない、

かといっていつまでも悲しんではいられない。

その故人の弔いと残された人々の心の調整期間を両立させるものとして初七日や四十九日、一周忌などの習慣ができたのではないでしょうか。

こう考えると、僕たちの文化や慣習は人々の心に寄り添って構築された合理的なものですね。

 

 

今回のワニは、そのような人々の心理を理解しないまま、ワニの死後の商業展開を性急に発表してしまったせいで、人々の心が追いつかなかったのだと思う。

 

作者のきくちゆうき先生は、

交通事故で亡くなった友達を思いこの作品を描いたと語っていました。

彼の中ではもう、友達の初七日や四十九日は終わり彼の死はもはや過去のものかもしれません。そして、この作品は亡くなった友達への追悼だったのかもしれません。

しかし、ワニの読者はワニの死はついさっきのことでお通夜も初七日も終わってない状況でした。

そこに、制作側と読み手側の感覚のズレが生じてしまったということもありえます。

 

 

賛否両論ありますが、この作品とその後の展開をきっかけに人の死について改めて考えさせられました。

 

 

最後に、僕が死について考えさせられた漫画作品を紹介します。

鮫島、最後の十五日間」

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この作品は佐藤タカヒロ先生に週間少年チャンピオンで連載されていた相撲漫画「バチバチ」の最終章にあたる作品です。

相撲を心から愛する主人公鮫島は、相撲という国技の魅力に取り憑かれ、残酷な現実に文字通り命をかけて全身全霊ど挑んでいく。

 

僕はこの作品ずっと読んでいたんですけど、

この作品に込められた作者の熱量は半端じゃない。

作者とその作品がリンクして読者の心をうちます。

 

その結末を知ったとき、

今一度生きてる意味について自分自身について問うことになると思います。